TECHNOCRACY - poison gift CD
2,200円
再入荷! 大阪CROSSOVER HARDCORE、前作12"『Diary Of A Terrorist』から10年ぶりとなる新作は現編成での初音源となる2023年待望のフルアルバム!初期の名曲"Tormentor"の再録も収めた、聴かせそして滾らす全8曲! 今回も前作と同じく大阪のGUERRILLA RECORDSからのリリースです。アートワークはバンドの盟友TKKR The Art demonが担当。 TECHNOCRACYのなんたるかはRECORD BOY大倉氏のテキストに的確だと思うのですが、狂気を孕んだようなスロー/ミドルパートに鋭利なスラッシュパートが誇張の無い手法で完全に溶け合ったピュア・クロスオーバー全8曲たっぷり44分収録。 + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 後期のNO SIDEと、始動して間もない頃のTECHNOCRACYをたびたび直に体験していた若い頃の私は、そのどちらの2バンドに対しても、音楽性、キャラクター、シーンでの立ち位置などに於いてけっこう感化され、NO SIDEの分裂〜TECHNOCRACYの誕生には、メンバーの旺盛な音楽的好奇心が少なからず影響していたと聞いたその当時、正直ちょっと嫉妬にも近い感情すらあったことを、この新作を聴いて思い出した。 旧友パンクスからの嘲笑みたいな状況もあったであろう、ENGLISH DOGS, SACRILEGE, ONSLAUGHTといったハードコア・パンクのメタル・スラッシュ化によるブリティッシュ・クロスオーバーや、ビリー・ミラノに連れられてプードル・ヘアーのANTHRAXがビクビクしながらCBGBに出入りして世界が開けていったケースなど、パンクとメタルの間に絶対的に存在する壁を、困難も乗り越えながらまたいで生まれた音楽が、その名の通り本来のクロスオーバーだったのに、そのフォロワーは、音楽スタイルとして出来合いのクロスオーバー・スラッシュを演奏するバンドがほとんどになってしまっていたから、音楽的な貪欲さと葛藤が渦巻いた細胞分裂のうえで誕生したTECHNOCRACYに、「2000年代の日本でも、こういうクロスオーバー現象があるのか」と、私が夢中になった80年代のオリジナル・クロスオーバーに近いものを感じていたんだろう、と、今になって思う。 あと、W.A.S.P.もSLAYERもDESTRUCTIONもKREATORも曲名にした必殺のメタル・キーワードで雄叫びをあげる "Tormentor"を初めて聴いた時も、「やられたなー」と思った。ファイヤー!だの、イーボォー、だの、死ぬまでに1度はシャウトしておきたい名セリフのような文言がヘヴィメタルやスラッシュには存在するけど、私は別にここで笑い話を挟みたいわけでなく、パンクがそういったサタニックなワードを用いながらも、悪魔崇拝の歌詞ではなく、人間の狂気を表現していたクロスオーバーならではの手法に着目し実践していたTECHNOCRACYを目の当たりにして、やはりまた嫉妬してしまっていたのです。 ダウナーとアッパーを同時進行させるストーナー・スラッシュの手法は、諸刃の剣だとたかをくくっていたわけではないが、TECHNOCRACYはいずれそのバランスが崩れてくるのでは?と危惧した時もあった。しかし今回、その初期の代表曲 "Tormentor"も再録していて、新しいシンガーの攻撃性が、サウンドの切れ味を高めているように思う。私も、共感と嫉妬が渦巻いた、若い時分のあの感情が、この新作でまた呼び戻されるかもしれない。 (RECORD BOY 大倉 了)