MASTERPEACE - overcome the limits 7"EP
1,430円
発売中!ご存知大阪シティハードコアパンク! マスターピースの、7"フォーマットとしてはFREEDOM FIGHTERからの『DESTRUCTION IMAGINATION』以来10数年振りでしょうか、2022年4曲入り作品を彼らの盟友TIMES TOGETHERからリリース。 CDフォーマットも同時リリースで、こちら7"は300枚プレス。 長きに渡り大きな渦を産み出しながら、酸いも甘いも清濁もひっくるめて、それでも転がり続けるマスターピースの2022年という時代とバンド自身を切り取った全4曲収録! + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + + 音楽=ライフワークを体現するかのような、楽曲性とも相関する激しいバンド活動と絶えないリリースを続け、ハードコアとは何か?パンクとは何か?ロックとは?音楽とは?人生とは?はたまた愛とは? そういった自問自答を延々と繰り返しながら、情報量過多気味に転がり突き進む彼らの 2022 年における姿勢やアティチュードが存分に詰まった今回の EP。 再生して一聴すると直情的に聴こえるものの、曲を追えばただストレートなだけの表現ではないことにすぐ理解が進む。各曲の定めたテーマに対して感情を真っすぐ向けたものであることは確かだが、バーストした感情は必ずどこかで誰かや何かにブチ当たり、ネジれ、歪んでいくのだ。しかしその痛々しいほどに思える自己/他者への強い愛憎が、常に矛盾しながらも両立している。この白か黒かといった、単なる二択にとどまらない感情のグラデーションの表れこそが MASTERPEACE の最たる魅力であり、普段は見向きもしない鈍色すらもパレットにブチまけたゆえに起きる色彩の鮮やかさ、その混沌とした様をもって彼らのことを人間くさいと表現するならば、正にそうなのかもしれないと妙に納得してしまうのだ。 その昔、筆者がまだハードコアやバンドの界隈に出入りし始めて間もない頃、Vo. ごっちゃんが京都の夜の街に泥酔して現れたことがあった。まだ MASTERPEACE が現在のようなチャンプルーなスタイルになる前の話である。ごっちゃんは靴がどっかいった、と言いながら恐らく持ち出したままであろうビールジョッキを片手に、左右がアベコベな居酒屋の便所サンダルを履いていた(笑)。ごっちゃんをよく知る人なら珍しくもない話かもしれないが、まだ 18 歳くらいの自分には中々のインパクトで心底ムチャクチャな人だと思ったものだ。しかしそれと同時に、真似のできない破天荒な姿に妙な憧れを抱いてしまったのも事実であったし、いま思えば MASTERPEACE のことを上手に描いたエピソードであるようにも思う。 そのごっちゃんを筆頭に、ジャパニーズロック史を様々な HARDCORE / PUNK フィルターに通してゴッタ煮にしたような世界観は唯一無二だが、鉄壁の演奏陣における MOTORHEAD 的な解釈のメタリックな R&R 感をさらに性急にしたビート、各曲内で多用されるビッシバシのキメフレーズに、80 〜 90's のJAPANESE HARDCORE や PAINTBOX などと強く共鳴する語呂あわせを活かした日本語詩の使い方、それらを踏まえた良い意味でアバウトな余白のある歌やコーラス乗せ、そういった少しのズレなどは意に介さない点を含めて非常にユニークな仕上がりになっている。 ここ数年で大きな出来事の一つであったコロナウイルスのトピックをはじめとしつつ、3 曲目では曲名から何から何まで ROUGH ROCK POSSET のツボタ氏についての曲になっているなど、社会的なものからごく身近なものまで各曲のテーマの振れ幅は大きい。路地裏の空き缶やグラフティから地球の裏側で起こっている紛争まで、それらが MASTERPEACE の中では見事に一本線として繋がっているのだと思える。まさにアメ村から世界へ、といったところだ。 DISACOF 氏によるファニー&毒の感じられるアートワークも、これまでの MASTERPEACE を踏まえた集大成感があり、彼らのよき理解者としての一面も感じさせる。くだらない人生だ、などとうなだれている暇があれば聴いた方が良い1枚。 FFO:MOTORHEAD、G.B.H、LOS CRUDOS、PAINTBOX、ROCKY&THE SWEDEN、VIVISICK、ブルースビンボーズ、LIP CREAM、OUTO エロリン(BURNING SIGN / NODAYSOFF / SMDcrew / BACK YARD ZINE etc)